タイで評価制度を作り直してみる
日本、タイ、中国で多くの会社の評価制度を作ってきた私たちが、今改めて自分たち自身の評価制度の見直しに着手します。コロナを経て、これからの事業環境や働き方、世代による価値観の変化を踏まえてどのように改善していくのがよいのか?参考までに考え方をシェアしていきたいと思います。
そもそも評価ってなんのためにあるの?
うちの決算は6月。そろそろ4Qに差し掛かり、来期のことをあれこれと考え始める時期でもあります。
今期はコロナの影響で大幅にビジネスモデルを変更して再構築を行ったり、オフィスを移転したりと動きの多い1年でしたが、ようやく未来を見据えた動きもできるようになってきました。
そこで改めて評価制度の見直しに入り始めてます。 この記事では「評価制度の作り方」みたいな話ではなく、私が今後、どのような思想、背景をもってどのような評価制度を作ろうとしているのか、ということを整理してみたいと思います。
そもそも評価制度は「人の成長を促すためにある」と考えています。 決して給料を上げ渋るために存在するものではありません。
この「なんのためにあるのか?」という出発点となる「問い」はすごく重要で、これが評価制度や会社そのものの性格を決めてしまうといっても言い過ぎではないと思っています。
評価項目は会社の意志表示である
日本でも、タイでも、中国でも、多くの方から評価制度について相談いただくことがあります。その時に私がいつも伝えるのは、
評価項目や評価のウェイトは「経営者の好き嫌いの明文化」である
ということです。 例えば時間に厳しく「遅刻だけは許せない!」という経営者の方がいたら、遅刻したら評価がめちゃくちゃ下がり、皆勤賞だと評価がめちゃくちゃ上がるように制度設計すればいいわけです。
逆に「遅刻なんかどうでもいい。それよりもしっかり稼いでくれる人を評価したい」という場合には遅刻のペナルティなどなく、それよりも稼いだ金額に応じて評価が決まるような制度設計をします。
極端な例を2つ出しましたが、これらのバランスが肝になります。
好き嫌いなんて言うと誤解されそうですが、経営者が評価したい人、一緒に働きたい人がしっかり評価される仕組みを作ることは非常に重要です。
求める社員像の変化
経営理念やVMV(ビジョン、ミッション、バリュー)に記載されている事柄については大きく変化しないと思いますが、企業が求める人材像はその時の環境や企業の経営戦略によって変化していきます。
今のH&G(Thailand)で言えば、コロナによる事業モデルの大幅な変革を行った結果、理念やビジョンには変更はありませんが、社員に期待したい行動やKPIについては変化があったと思っています。 (それが今回評価制度を作り直そうと思った背景です)
それらの変化を、なんとなく伝えるのではなく明確に伝える。 これから必要とされる、評価される人物像や行動、言動はこうなんだよ、その理由や背景はこうなんだよ、というのを改めて定義していく作業をしたいと思っています。
今後必要となる要素を書き出してみる
では実際に、今後、どのような人材が必要になるのか?というのを考えてみたいと思います。これは「評価項目」であるだけではなく「教育カリキュラム」でもあり、(正直面接で見極めるのは難しいですが)「採用基準」でもあります。
- 問題解決は自分から(起きた問題を自分事として解決する)
- 自ら創り出す(新しい施策、商品を発案し、実行する)
- 進んで引き受ける(落ちている、落ちそうなボールを拾う)
- やり遂げる(決めた納期までにやり切る)
- 自分と周囲への厳しさと配慮(プロとして仕事に向き合う)
これらの項目は今の私たちが置かれている環境を踏まえ、部署に関係なく、私たちが成長するために必要な姿勢だと思います。
もう1つ、グループの行動原理である「CUBE」も、まさに今の私たちにとって必要な要素です。上に書いたものをかなり重複します。
Challenge: 挑戦し、超越せよ
Unique: 独創し、圧倒せよ
Bind: 想いをひとつに
Effect: 完遂し、効果を出せ
これらをどう評価項目に落とし込むか、ということを次回以降の記事で紹介していきたいと思います。
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齊藤 哲 (Tetsu Saito)
Managing Director
H&G (Thailand) Co., Ltd.